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プリンセスブライト・アウェイキング  第四話

「She Sees Blue Sea」シーシーズ・ブルーシー 前編

 

 みしり、と頭の上の板がきしんだ。
「クソッ、どこ行きやがった。おい、確かにこの辺りなんだろうな!?」
 女が、大声で言う。連れの男は少し離れた所にいるのだろう。いらえがあったが、床板一枚隔てたアンナには、何を言っているのかわからなかった。
 胸の中のシルヴィーが、震えている。頭上の板からわずかに光が差し込んでいるが、その表情まではわからない。アンナ自身も恐怖に震えそうだったが、華奢な少女の身体を抱き寄せ、出来る限り優しい口調で言う。
「大丈夫ですよ、シルヴィー様。この穴倉は、魔法で守られてるって、みなさん言ってましたから」
 実際に、そうなのだろう。板の隙間から、あの女の顔が見え隠れする。燃えるような赤い髪と、爛々と輝く獣の目。アンナと、目があったような気がした。が、確かジャクリーヌと名乗っていたその女の視線は、すぐ足元にいるアンナたちに気づかず、別の場所へと移される。
「そっちはどうだ。クソ、面倒くせえ。ここを見たら、あたしもそっちに行く」
 ジャクリーヌの片足は、車輪のついた義足のようだった。ごろごろと遠くの落雷のような不気味な音を響かせながら、狭い室内を丹念に物色している。
 棚にあった、わずかばかりの食器をひっくり返す音。寝台のシーツをはがす音。不意にその顔が、アンナたちの前に突き出された。シルヴィーが、はっと息を呑む。アンナは、ごくりと唾を飲み込んだ。
「ッ・・・!」
 しかしいずれの物音も、ジャクリーヌには聞こえないようだった。本当に、この穴倉は守られている。確信したが、それでも恐怖は抑えられなかった。寝台の下を探っているのか、薄い板一枚を隔てて、猟犬のようなジャクリーヌの顔が、それこそ目と鼻の先にある。
「・・・女だよ。女が一人か二人、ここで暮らしてる。あるいは暮らしてた、か? そうだとしても、ついさっきまでここにいましたって感じだ」
 ジャクリーヌの呟きは、まるでこちらの耳元で囁いているようだ。
 出来る限り物音を立てないようにしていたが、アンナは意を決してシルヴィーをもう一度抱き締め、その銀色の髪を撫でる。
「大丈夫、大丈夫ですよ、ほら」
 アンナの声は、ジャクリーヌには聞こえていない。
「こちらに、ちょっとだって気づいた様子はないですもん。だから、大丈夫です。大丈夫・・・」
「おい!」
 いきなりジャクリーヌが叫び、アンナは飛び上がって床板に頭をぶつけそうになった。足音が聞こえて、部屋にもう一人、連れの男が入ってきた。
「ユストゥス、ここで当たりだよ。見てみろ」
 ジャクリーヌは指先でつまんだ何かを、男に見せていた。
「髪か・・・銀髪だな。以前見た彼女のものより、大分短いように思えるが・・・」
「大方、金に困って売ったんだろうよ。長い銀髪は正装用のかつらとして高く売れる。特にこいつのは髪質がいい。貴族や裁判官が被るアレだよ。こいつのは、高く売れただろうよ。ほとんど、加工の必要もねえしな」
 ジャクリーヌは、アンナたちの行動をしっかり見抜いている。この魔法の隠れ家がなければ、今頃二人とも捕えられていただろう。
「いや待て。この絵、どっかで見たことあるような気がしてたが、あいつの寝室にあったもんじゃねえか? ちくしょう、やっぱりここだ。逃げられた。まだ、遠くへ行ってないはずだ。お前の魔法でもわからないか」
 もう一人の男、ユストゥスが魔法使いと聞いて、ぞっとした。そうかもしれないとは思っていたが、事実そうであるとわかり、恐怖する。男の様子はここからは見えない。長い沈黙の後、ようやく口を開く。
「・・・近くにはいる。おかしいな。何か別の魔法が働いて、上手く感知できない。そう遠くない所にいるはずだが・・・」
「そうだな、遠くへは逃げてないはずだ。クソ! 他所を当たるぞ。おい、物乞いども! 見せモンじゃねえぞ。何か隠してたら、一人残らずぶっ殺すからな!」
 二人が、足早に部屋を出て行く。義足の車輪の唸るような音が、遠ざかっていった。
「・・・もう、平気だよ。二人は出て行った」
 しばらくすると、物乞いたちが、部屋に入ってきた。アンナは床板を持ち上げた。車椅子のシルヴィーは、物乞いたちが穴から出してくれた。
「おじさん、本当に、本当に助かりましたぁ!」
 アンナは、集まった物乞いの一人に抱きついた。その髪に、顔を押し付ける。初めは臭いと思っていたその身体も、今では逆に愛おしいとすら思っていた。
「こらこら、離しなさい。ほら、お嬢さんが大分お疲れのようだ」
「ああっ、シルヴィー様、だだ、大丈夫です?」
 シルヴィーは物乞いたちの手助けで、ちゃんと寝台に戻れたようだ。飾り板に背を預け、大きく息を吐いている。
「・・・大丈夫。アンナが大丈夫って、ずっと言ってくれたから」
 その短い銀の髪に負けないくらい顔色も蒼白だったが、シルヴィーはむしろこちらを気遣って、にこりと微笑んだ。
「いやあ、よかったよかった。じゃあ二人とも、また何かあったら知らせるよ」
「ありがとうございます! あ、部屋の片付けは私がやりますから!」
 物乞いたちが外に出ると、アンナは散らかった物を片付け始めた。申し訳なさそうに、シルヴィーは一人一人に頭を下げている。
「まあ、シルヴィー様、いつまで座ってらっしゃるんですか。今日は疲れることがありましたから、早く横になって下さいな」
 ジルヴィーは首を横に振った。少し前まで、そうすると肩や背中で、ふわふわとした長い銀髪が揺れていたものだ。あのジャクリーヌの言う通り、その長く美しい髪は、かつら職人に買い取ってもらったのだった。
 金はなかったが、ここでの暮らしに困っていたわけではない。食事も、最低限必要なものも、ここで暮らしている人たちが工面してくれる。いつも世話になってばかりで悪いと、髪を売ることを言いだしたのはシルヴィーだった。アンナは反対したが、シルヴィーは言い張って聞かなかった。そんなシルヴィーを見るのは珍しいことだったので、アンナも折れるしかなかった。
 髪を売った金の大半は、ここの皆に渡した。残った銀貨五枚を、シルヴィーは申し訳なさそうにアンナに差し出した。
「随分お給金をあげてなかったから。これだけしか残らなくて、ごめんなさい」
「な、何を言ってるんですか。お給金なんて頂かなくても、アンナはいつまでもシルヴィー様にお仕えしますよ!」
 そんなやりとりをしたのは、数日前だ。
 アンナが割れた食器を片付けていると、シルヴィーが弱々しく咳をした。
「いけない。少し身体が冷えちゃったようです」
 窓を閉め、シルヴィーを横たわらせる。アンナの手に、シルヴィーの冷たい手が添えられた。
「アンナ、ごめんね。何もしてあげられなくて」
「・・・私は、シルヴィー様にたくさんのものを頂きました。これからもずっと、アンナはシルヴィー様のお傍におりますよ。さあ、今晩はもう寝ましょう。少しでも、養生されませんと」
 困ったような顔で、シルヴィーが頷く。もう一度微笑むと、静かに瞼が閉じられる。
 アンナは部屋を片付け終わると、机の前に座った。紙と羽ペンを取り出す。
 手紙を、書く。
 いつか、やってみようと思っていたことだ。手紙の書き方なんて知らない。聞きかじった話を思い出しながら、アンナはそれでもペンを走らせた。
「・・・アンナ、何してるの?」
 シルヴィーの声。
「おまじない、ですよ。シルヴィー様が今よりちょっとでも幸せになってくれたら、みたいなおまじないです」
「アンナ、いつもありがとう・・・」
 元から、難しいだろうと思っている。だから、今までそうすることを躊躇してきた。災いは、ここに身を潜めている間に過ぎ去ってくれると、願っていた。だが今日、ジャクリーヌたちがシルヴィーの居所を嗅ぎ付けてきたことで、悠長なことも言ってられなくなったのだ。
 話は、よく耳にする。ほとんどの依頼を断るとも聞いている。それでも、アンナはそれに懸けてみようと思った。あんな凶暴な女たちを止められるのは、もっと強い人たちしかいない。
「おまじない、届くといいです」
 シルヴィーに言ったつもりだったが、振り返ると、シルヴィーは既に静かな寝息を立てていた。
「きっと、届きますよね」
 今度は誰に言うでもなく、アンナは呟いた。

 

 その威容は、遠くからでもそれが誰か、はっきりとわからせていた。
 それを見るのが初めてではないフェルサリでも、街で見かけて、思わずぎょっとしてしまったのだ。
 道ゆく人は、誰もがその女に道を譲った。というより、大きく距離を空けている。彼女が肩に担いでいるのが、大砲だとわかるからだ。
 白いドレスに白い大砲。よく巻かれた金の髪。背はフェルサリより、わずかに低い。後ろ姿だが、見間違えようがない。セシリア・ファミリーの一人、吸血鬼のテレーゼだった。
 フェルサリは、テレーゼに駆け寄った。
「テ、テレーゼさん・・・!」
 テレーゼは首だけ動かして、フェルサリを振り返った。身体ごと振り返ったら、周りの人たちを砲がなぎ倒してしまう。
「・・・あら、フェルサリですの? その格好、どうしましたの?」
 大きな青い瞳をくりくりと動かして、テレーゼが問いかける。フェルサリは買い物の帰りだったが、装備に慣れる為、外に出る時はなるべく冒険者の格好をしているのだ。
「え、ええと、私も、母さんたちのパーティに入れてもらったんです」
「あら、本当? まさか、あなたがねえ。まあ、剣の腕は、セシリアの子供たちの中でも一番だとは思ってましたけど」
 並んで歩く。テレーゼはセシリアの屋敷の一室に住んでいるので、帰り道は同じだ。
「今、旅からお帰りなんですね。無事でよかったです。ええと、おかえりなさい」
 何かがおかしかったのだろう、テレーゼはちょっと笑いながら答えた。
「ただいま、ですわ。ネリーが先に帰っているはずですわね。ピーターは一度故郷を訪ねてからですから、こちらに寄るのは少し遅くなりましてよ」
 フェルサリがパーティに入れてもらった時には、テレーゼ、ネリー、ピーターの三人が一組で、旅に出ていた。先に帰ってきたネリーとは既に冒険を共にし、今こうしてテレーゼも帰ってきた。会うのは久しぶりで、冒険者として会うのは初めてである。
 テレーゼに問われるまま、フェルサリはこれまでの経緯と、セシリアと共にこなした二つの冒険の話をした。砲を担ぎ直したテレーゼが、くすりと笑う。
「あ、また何か、おかしなことがありましたか?」
「ええ、そうですわね。フェルサリ、あなた、ちょっと見ない間に随分変わりましたのね」
「えっ、そうですか」
「そうですとも。明るくなった、でいいのかしら? とにかく、よく話すようになりましたわね。良いことだ、という気がしますわ」
「あっ・・・す、すみません」
 テレーゼはそれには応えず、またくすくすと笑うだけだった。
 屋敷に帰る。テレーゼが帰還したことを伝えると、セシリア含め、屋敷の人間総出で出迎えた。入る前に離れの武器庫に砲やその他の武器を置きに行っていたテレーゼだが、玄関ホールに人が集まっているのを見ると、軽く手を振って、嬉しそうに微笑んだ。
「おかえりなさい、テレーゼ」
 セシリアが声をかける。
「ただいまですわ。わたくしがいない間に、キメラの大物とやり合ったそうですわね」
「あなたがいれば、死地にはならなかったでしょうね。ともあれ、お互い無事で何よりよ。話はネリーから聞いてるけど、後であなたからも聞かせて頂戴」
 セシリアが去った後も、テレーゼは子供たちと言葉を交わしていた。前回のテレーゼの帰還時にはまだ、フェルサリもこの子供たちの輪の中に入っていたのだった。その時フェルサリがテレーゼに、どんな言葉をかけていたのか、思い出せない。おかえりなさい、以上のことは口にしなかった気がする。冒険の旅がどんなに過酷で恐ろしいものか、経験してみて初めてわかった。他の仲間に対しても、気の効いたことは何も言ってこなかった自分を、情けなく思う。
 夕食の下ごしらえを手伝い、フェルサリは中庭に向かった。
 セシリアが中庭の椅子に腰掛けている。初夏の風が、その豊かな金髪を揺らしていた。丸い机の上には、手紙の束がある。依頼の手紙だろう。その内のひとつを手に取り、難しい顔をしていた。
「あら、またそんなに来てますの? 何か、いい案件はありまして?」
 風呂上がりのテレーゼも、中庭にやってきた。石鹸の、良い香りがしている。
「そうねえ。うーん、ちょっとこれ見てみて」
 テレーゼはその手紙を受け取ると、セシリアと同じような顔をした。読み終えたらしく、フェルサリに手渡す。
「暗号・・・ではありませんわね、多分。何かわかりまして?」
「とてもひどいアッシェン語だということは、わかる」
 フェルサリも文面に目を通す。デルニエール出身のフェルサリにとって、アッシェン語はむしろ得意なのだが、読み書きはここに来てから勉強した。この手紙は、とにかく綴りがおかしい。しかし、読み書きのできなかった頃の自分が手紙を書こうとすると、こんな感じになったのではないかとも思う。特にアッシェン語は、発音とそれから推測される綴りが、共通語よりも一致しない部分が多い。二人よりも、この手紙の文面は、読める気がした。
「ええと、これは、助けを求めている、という内容ではないでしょうか」
「そうよねえ、やっぱり。アッシェン語から派生した別の言語かもしれないと思って、書庫で調べようかとも思ってたんだけど」
「以前の私だったら、きっとこんな感じの文面になってたと思います」
「なるほど。それでセシリア、この依頼は候補のひとつですの?」
「まあ、そうねえ。お金にならないことが、確定してる案件だけど」
「いいんじゃありません? わたくしは何でも構いませんわ。血も足りてますし、わたくしならすぐにでも出れますわよ」
 血が足りているという言葉を聞いて、フェルサリはどきりとした。やはり、吸血鬼なのだ。砲を担いでいない時のテレーゼは、一目見てそうとはわからない。あらためて見ても、どこかの育ちの良い娘、という風にしか思えないのだ。
 吸血鬼の身体が、人とは比べものにならないくらい頑健だとは聞いている。今帰ってきたばかりなので少し休んだ方がいいという言葉を、しかしフェルサリは二つの意味で飲み込んだ。
 ひとつは、やはりそんな心配は無用なのではということと、もうひとつは、心強い味方になるだろうという点だ。
「そうねえ。でもこんな依頼受けたら、ネリーがまたぶうたれそうねえ」
 セシリアは、ちょうどこちらに歩いてきていたネリーに聞こえるように言った。
「なあに? あたしの力が必要なくらい、難しい依頼があるのかな?」
 そのまま中庭の奥に行こうとしていたネリーだったが、橙色のお下げ髪を揺らして振り返った。
「あなたの嫌がりそうな、お金にならない案件に手を出そうってとこよ」
 問題の手紙に目をやったネリーだが、すぐにセシリアに返した。ネリーはそもそも、アッシェン語ができない。内容を、セシリアから聞く。
「どっかの子供がセシリアのこと聞いて、藁にもすがる思いで手紙を出したとか? なるほど、報酬はその人の笑顔以外に、期待できそうもないねえ」
 ネリーが苦い顔で言う。
 ネリーには、冒険で貯めた金で、魔法連合領に土地を持ちたいという夢がある。依頼報酬は、できれば欲しいところだろう。
「すごいわよ。この手紙を出すのに銀貨三枚かかるので、残りは二枚です、とこんな感じ? あなたは、今回パスでいいわよ」
「うひゃあ。宛先間違えてない?」
「とりあえず、ウチに届いたわね。ちゃんと私宛に。ま、あくまで私宛なんで、一人で様子見てこようかしらねえ」
「わ、私も、行きます・・・!」
 思わず、フェルサリは言っていた。余計な口出しかもしれないと思ったが、既に言ってしまっていた。
「わたくしも、行きますわ。ひょっとしたら、セシリアをおびき出す為の罠かもしれなくてよ?」
 テレーゼが言うと、ネリーも続いた。
「まあ、今急いでやらなくちゃいけないこともないし、一人でお留守番も退屈だからなあ。フェルサリも心配だし、ついて行くよ。てか、どこ行くの?」
「アッシェンのパリシよ」
「パリシに遊びに行くと思えばいいかな。ご飯もまあまあおいしいし。ていうか、みんな行く気満々だねえ。ま、この面子だったら仕方ないか」
「この面子?」
「セシリアパーティ・お人好しーズだよ。ニコールとかヴェルナーいたら、絶対反対してたよ。あるいはセシリア一人か、それ以外の誰か二人みたいな、最低限の構成にしたと思う」
「お人好しーズ、ねえ。私がそうであるかはともかく、今回のは気になる話ではあるわね。というより、無視するのも寝付きが悪いわ」
「こっちも仕事でやってるんだけどねえ。まあ、お金にならないからって理由で断るのも、アレだけどさあ」
 ぶつぶつ言いながらも、ネリーが大きく反対することはなかった。ネリーも人が好いのだと、フェルサリは思う。自分はあまりそういうことは気にかけず、ただセシリアに着いて行きたい一心だった。
 セシリアは人が好いというよりも、優しいのだと思う。基本的に、厳しい部分も大きい人だ。それが相手の為になると思ったら、子供相手でも容赦なく張り倒す。テレーゼについてはよく知らないものの、今までの、冒険者になる前のフェルサリに対する接し方を見るに、こちらは人も好く、加えて伝わりやすい優しさもあるといった感じだ。
 そんなセシリアとテレーゼが一緒に行動するとなると、困った人を見ると放っておけない感じになることはわかる。それが弱そうな者となると、なおさらである。銅貨一枚にもならない頼みで、竜すらも相手にしてしまいそうだ。
 そしてこの二人には、それができてしまう。
「ともあれ、先方は急いでいるみたいだし、明日にでも出るとしましょう。テレーゼ、帰ってきたばかりのところ、悪いわね」
「ゆっくりと、寄り道しながら帰ってきましたから、その間に休んでいたようなものですわ。どうぞ、気になさらず」
 テレーゼは疲れた様子もなく、背を伸ばして空を見上げた。まぶしそうに目を細める。
 この吸血鬼は、日の光を厭わない。フェルサリが元来持っていた吸血鬼の観念から、大きく外れている。同じ屋根の下で暮らすテレーゼとは接してきたが、吸血鬼テレーゼについてはほとんど何も知らない。
 純粋な戦闘力では、セシリアを凌ぐとも言われている。それがいかにとんでもないことか、今にしてわかる。
 共に旅ができるのだから、色々話を聞いてみたいと、フェルサリは思った。

 

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