スラヴァル帝国概略

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・スラヴァル帝国 Sraval Empire

 

 国土の大半が人の住めない凍土が覆う、大ツンドラ地帯である。その為、非常に広大な国土を有していながらも人口は少なく、そのほとんどが南西部に集中している。

 

・産業

 地産で生産される者が少なく、それがこの帝国の国力の伸び悩みと直結している。西の海では古来より漁業が盛んで、近年開拓地より持ち込まれたじゃがいもにより食糧事情は飛躍的に改善されたが、それでも他国に輸出し利を上げるほどの産業には育っていない。その為、他国より原料を仕入れ、加工して輸出することで、いくらかの利を上げようと試みられている。

 学術にも力を入れており、特にゴルゴナやグランツ帝国からの学者は手厚くもてなし、学徒も多く受け入れている。工業の充実にも力を入れており、職人の数は多い。

 皮肉にも単独の産業で大きな利を上げられないことからの多方面への投資が、この国の底力を上げる結果になっている。

 実際の所、これもまた力を入れ始めている鉱山の発見、発掘こそが、この国の今後の産業になっていきそうだと、各国の大使は見ている。

 

・政治

 封建制で、諸侯の頂点に立つ皇帝は広い領土に多数の有力な都市を抱えているため、歴代その影響力は強い。帝国議会でも同様で、権力構造は、皇帝を頂点としたピラミッド構造になっている。

 なお、帝政を敷いているのは、オリエンス帝国混乱期に、当時のオリエンス皇帝の娘をスラヴァル皇太子が娶っており、スラヴァルこそが大ラテン帝国から続く第三世界帝国の継承者であると主張している為である。だが諸候それぞれの力は弱く、実質王政に近い。

 

・軍事

 兵力こそグランツ帝国やアッシェン、さらにはアングルランドにすら及ばないものの、兵たちの練度は高い。ただ、民の多くを生産に回したい歴代皇帝の意向から、半ば国家に忠誠を誓っているといってもいい傭兵隊に、その兵力の半分以上を依存している諸侯も多い。スラヴァルを拠点としている傭兵隊は、いずれも強兵と名高い。

*曙光の時代

 スラヴァルで最も名高い傭兵団が、霹靂団である。

 初代団長、大陸五強の一人ヴラジミルは皇帝を支え、帝国の繁栄に努めたが、二代目のアナスタシアと現在の女帝エリザヴェータとの間にはかねてから不和が囁かれており、やがてそれは霹靂団の壊滅へと至った。

 

・住民

 都市部では、明るく社交的な人間が多く、人種的にも入り交じっている。

 農村部ではやや陰鬱な印象を旅人に与えるものの、単独で自給自足できる村は少なく、旅人や行商人は歓待されることが多い。そういった農村部では、純血のスラヴァル人たちが多いようだ。

 

・宗教

 都市部ではセイヴィア教オールドー派が多いものの、北の神々を信仰する者が多く、割合は半々と行ったところである。その他の宗教も少なくはなく、信仰に関しては多様な国柄と言える。

 

・言語

 公用語はスラヴァル語。ただその領土は広大な為、地方ごとの方言に特徴があり、意思疎通に苦労することはある。

 

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