パリシ

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・パリシ

 厚く高い城壁に囲まれたアッシェンの首都パリシは、ユーロ地方で最も巨大で歴史ある大都市である。

 その人口は時に百万などと喧伝されるが、実質的な人口は、市壁の外の、掘っ建て小屋に住む住人を含めても、四十万強である。それでもユーロ地方で最も人口の多い都市であることは変わらず、市の立つ日や祝祭日には遠方からも多くの人々が訪れ、実際に百万の人間が街を行き交うことはある。

 アッシェン西部を走る数多くの運河は、街の中央を横切るブークリエ河に繋がっており、この街がまさにアッシェン経済の中心地であることがわかる。

 パリシ中央、そのブークリエ河の中州にあるシャンテ島には、王の宮殿、そしてセイヴィア教アモーレ派のシャンテ大聖堂がある。

 パリシを含むイル・ダッシェン地方は代々王家の領地だが、市内にはかつて王家が封土として分け与えた領地が点在しており、市内全てに王の権限が及ぶかというと、否である。

 またこの都市では市民の力が時に貴族や聖職者たちを上回り、市政のみならずアッシェン全体の政を決める議会は、貴族、聖職者、そして市民の代表から成る三部会によって運営されることになる。

 市内の教会はアモーレ派のものがほとんどだが、ゼーレ派、オールドー派の教会きもちろん、エルフやドワーフたちといった種族の聖堂もある。宗派間の摩擦はあり、それらを背景にした市民同士の衝突も、この街では決して珍しいことではない。

 

 

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