カース島概略

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・カース島 Kars

 

 四千王国の南の海、サウスランドの東に位置するその島には、闇エルフとその奴隷たちが住んでいる。この辺りの海が闇エルフ海と呼ばれているのは、彼らがこの海域を自分たちの庭のように航行しているからである。インドールの香辛料を求めて西の地よりやってくる者たちを、闇エルフの海賊たちが襲うという噂はよく聞かれる。

 カース島の支配者たちは闇エルフだが、島民の多くは、その奴隷か、奴隷のように扱われる労働者階級である。

 

・産業

 海上貿易の中継地点であるため、取引だけでもかなりの利を上げている。加えて豊富な海産物と、香辛料の生産地である。

 闇エルフたちと取引したことがない者たちにとっては信じがたい話だろうが、彼らの取引は非常に公正であり、無闇に略奪に走るのは、一部の賊だけである(人間がそうであるように、闇エルフたちにもそういった者たちがいる)。

 ただ、西の人間たちと違い、相手が自分たちを騙そうとした、あるいは不当な取引を持ちかけてきた場合には、恐ろしいほど苛烈な対応に出る。まったく容赦ということを知らないのが、人間との大きな違いだろう。奴隷貿易も盛んだが、彼ら曰く、正当な取引で(あるいは報復で)手に入れた奴隷たちだということである。

 また、少し意外かもしれないが、非常に良質な茶葉とコーヒーの生産地であり、西の世界にその多くを出荷している。

 

・政治

 いわゆる封建制に近いが、封土に依拠しない身分制度がしかれており、一部の身分高い者たちによって、政がなされている。より身分の高い者の発言が絶対だが、広く意見を求めるため、会議のようなものはしばしば開かれる。

 

・軍事

 戦士階級の者たちによって軍が編成され、生まれてから死ぬまで戦士として過ごす彼らの練度は極めて高い。装備も他国との交易で得たものに加え、彼ら独自の装備や兵器も多数あり、大陸南部随一の軍事力を誇る。

 中でも海軍力は高く、南の海で彼らを刺激するのは、自殺行為と言っていいだろう。遥か南東のザウルスランドやってくる海竜すらも追い払う彼らの実力は、半端なものではない。

 

・住民

 支配民である闇エルフたちと、被支配民である多種族の奴隷、あるいは労働者階級によって構成されている。被支配民たちの多くは農園で働くか、闇エルフたちの世話係である。

 支配民である闇エルフたちの間にも細かい階層に分かれた身分制度があり、上の身分がいうことは絶対である。

 

・宗教

 氏族、あるいは階級毎に、多様な闇エルフたちの神々を信仰している。それぞれが決まった神を信仰しているものの、たとえそれが身分低い者たちの神で、神の格としても下のものだとしても、上の者がその信仰をないがしろにすることはない。その神を侮辱することは、それを信じる氏族、あるいは階級の者たちすべてを敵に回すことに繋がるからだ。

 

・言語

 公用語は闇エルフ語。しかし語学に堪能である彼らは、既知世界の多くの言語を操る。

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