騎士団領概略

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・騎士団領 Territory of Knights

 

 第四世界帝国衰退後にグランツ帝国から独立した、複数の騎士団による連合領。外敵に対する結束力は高いものの、騎士団長それぞれが独立した領主であり、ひとつの国としての結束はなく、あくまで同盟関係である。

 

・産業

 しかしながら、経済的な結びつきは強い。それぞれの領地で作られたものを共同で大商人に買い取ってもらうことも少なくはなく、同盟全体として動くことも多々ある。

 領内に鉱山を多数持ち、鉱山のない領地でも、加工、武具の生産で一定以上の富を蓄えている。

 

・政治

 それぞれの騎士団長のみが、貴族のように領地を所有している。五年に一度、全騎士による投票で、この連合領の頭領である大騎士団長が決められ、軍事面においてのみ、全騎士団員に号令をかけられる立場に立つ。二期続けての再選は許されていないため、一つの騎士団長に長く権力が集中することはない。

 この騎士団長の元に議会が開かれ、軍事以外の方面についても話し合われていく。

*曙光の時代

 百年戦争末期、統轄はアウグスタ。竜を散歩がてらに狩るという噂の豪傑。

 十代に一度統轄、全騎士団長に就任しているが、傀儡の統轄の任期終了後、再び統轄としてその辣腕を振るう。

 この時代の騎士団領は、まさに絶対的カリスマを誇るアウグスタの時代と言える。

 

・軍事

 騎士団長以外の騎士たちは、全て厳しい見習い期間と従者を経てきた職業軍人である。血統によりそうなることを義務づけられたわけではなく、ある意味では志願兵に近い。

 この領土では騎士というものは多くの人々の憧れであり、志願してかつ選別を経てきた者だけが、騎士になる道を開かれる。

 騎士のみならず、見習い騎士、家士までも編成される重裝騎兵部隊は、敵軍を一撃で砕くと言われるほどに強力である。

 兵制は徴兵制で、兵の練度は高い。騎士団ばかりが目立つが、いざ外征となれば、かなりの強兵で、装備も充実していることがわかるだろう。

 だが、騎士団領自体に自領の拡大傾向はなく、軍が領土外に出る時は、南部国境付近に現れる怪物の拠点の殲滅が目的である場合が多い。ただ、過去に何度か、他国の要請に応えて援軍を出したことはある。

 

・住民

 もちろん全ての者がそうというわけではないが、民たちの間にも尚武の気風はある。

 祝日の度に各地で大きな武闘大会が開かれ、剣の試合から射撃、レスリング、馬術といった技を競い合う。これには諸外国からの冒険者、傭兵なども参加できる。

 一方で学問も奨励されており、優秀な者には奨学金や、他国の大学に学びに行く際の餞別も出される。

 全ての権力、武力の頂点は大騎士団長であることが明確な政体であるため、住民は騎士団領というひとつの国に属しているという意識が高い。封建的である一方、本来封建制に伴う各地方ごとの分散感は低い、独特の風土を持っている。

 

・宗教

 騎士団の典範に従い、敬虔なアモーレ派セイヴィア教徒がほとんどである。

 

・言語

 グランツ帝国から独立した為、グランツ語を話す。共通語も使われるというのは他国と同じだが、民の識字率が非常に高い(全人口の三割ほど)ことが、この領土の特徴だろう。

 領主の補助を受け、読み書き計算といったことを教える私塾が各地に点在している。

 

 

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