ウォーハンマーRPG(第二版)

 

「A GRIM WORLD OF PERILOUS ADVENTURE」
「ウォーハンマーRPG」(日本語版)(表示右の商品)

 待望の、ウォーハンマーFRP2ndルールブック。基本キャリア60種、上級キャリア53種、さらに膨大なSkillやTalentで、強い弱いとかいう次元を越えた、個性的なキャラクターが作れます。つうか、全く役に立たないキャラクターを作りたい衝動に駆られたり()。

 戦闘も他のTRPGに比べて非常に戦略・戦術的で面白いんだけど、このゲームの特徴は、やっぱりキャラクターメイキングと、そのキャラクターの成長にあると思われるのです。
 まず最初にキャラクター作った時に、何に向いているかがある程度見えてくるんですけど(もちろん全てに向いているスーパーキャラかもしれないし、逆もまたあり)、長所を伸ばそうが短所を伸ばそうが、自由自在。パラメータを伸ばすか、SkillやTalentを獲得するか、あるいは新しいキャリアにつくかによって、まったくもって個性的なキャラクターになっていくのであります。

 成長にレベルという概念がなく、どんなキャラクターが良いかという基準が、シチュエーションやロールプレイによって大きく異なるゲームでありまして、そうなるともう「一番愛着の持てるキャラクター」を作って楽しむのが一番であると。
 さらにこのゲーム、キャラクターが結構死にやすいのですよ。せっかく愛着を持って育てたキャラクターも、無茶な戦闘をさせると簡単に死んでしまう(当然、生き返ったりはしません)。ここで、オプションの多いバトルシステムが活きてくると。何も考えずに敵の中に突っ込んで、後はサイコロ振るだけ、みたいな退屈な戦闘にならないと。仲間やNPCとうまく協力して戦うのです。というより、戦闘そのものを避けてもいいわけで。

 また、ベストを尽くしても、ちょっとした不運から死んでしまうこともあるわけで、そうなるとキャラクターの作り直しになります。で、この部分こそFRPの最もいい所だと思うのですが、途中から作り直したキャラクターが、周りのキャラクターの足手まといになりにくい、もしくは一人だけおいてけぼりになった感がないのですよ。何故かと言うと、以前の、ないしは周りのキャラクターと同じようなキャラクターになりにくいし、なったとしても、どう成長させるかで、まったく異なったキャラクターにすることができると。

 これは別の考え方をすると、現実でプレイヤー数人でプレイしている時に、仕事や家庭の事情でなんかでプレイから離れていても、また都合がつけば帰って来れる環境があるということにもなるわけでして。そもそも忙しい人が、たまにゲームに顔を出す、というかたちでもいいわけでして。

 ともあれ、1988年からいろんなTRPGをやってきましたが、このゲームに勝るTRPGはないと思っております。上記以外にも、魅力満載です。それぞれのペースでとことん作り込み、やり込むことができる、まさに、RPGであると。

 

「SIGMAR'S HEIRS」
「シグマーの継承者」(日本語版)

 ついに出ました、エンパイアのデータ満載本。歴史、政治、宗教、法律? そんなのが書かれてるってのは当たり前で、なんつうか、エンパイア全州の街、村、あらゆるデータが掲載されております! ついにやっちまいやがったかという圧倒的な情報量。手に取るまでは、正直ここまでの物は期待してなかった。はうー。

 あとシナリオ一本と、待ってましたの追加職業8種(前作から復活した職業と、ナイト・オブ・ザ・ブレイジング・サン等の新職種)。さらにキャラメイキングの際の、出身州ごとのスキル、タレント、スペシャルルールも。

 いや、とてもここでは書ききれないほどの情報量。エンパイア資料の決定版。

 

「OLD WORLD BESTIARY」
「オールド・ワールドの生物誌」(日本語版)

 モンスターのデータぎっしり。WHファンタジーバトルのファンも必見のデータ集です。

 何故に必見かというと、それぞれのモンスターに、一般的にどう思われているかが数パターン(傭兵の誰それ、目撃者の誰それ、等)、専門的な見解も数パターン(各都市の学者、実際に戦った者、等)、さらにGM用に実際はこうです、といった解説とパラメータが出ているという、かつてないほどこだわった内容になっているわけで、ファンタジーバトルやってる人で、アーミーブック以上の設定というか背景を知りたい人はぜひぜひ、といった感じ

 FRPやっている人には、追加データ、スキル、ルールがたくさん入っているので、これまた必須であります。つうか、サプリメントでここまで充実した内容のものも、そうそうないだろうと。
 

 

「OLD WORLD ARMOURY」
「オールド・ワールドの武器庫」(日本語版)

 基本ルールだけでも、形状によりかなり多彩なデータ、オプションのあるWHFRPの装備品の数々ですが、これはその追加の装備が出ているわけでして、なんかすごいことになってきた。そしてついに、ウォーマシーンも登場(笑)。

 タイトル通り、オールドワールドの「武器庫」といった内容で、あらゆる武器、鎧、その他戦闘に関わるものは全て網羅しております。もうグロムリル・アーマーだろうが、爆弾だろうが、ハーフレザー・バーディングだろうが、スコーピオン(ウォーマシーン)だろうが、何でも来いだ。
 さらに、各国の貨幣だったり、交通手段だったり、なんか金のかかる物全てのデータが載っていると言っても過言ではないと。自分みたいな、女性キャラとかやってる人間にとって嬉しいのは、やっと化粧品の正確な値段がわかったってことよ!
 さらにさらに、人間、亜人種のNPCや、騎乗動物、ペットになる動物、その他のデータもあり。

 旧版からこのゲームをやってきた印象として、プレイヤーが、なんか便利だったり強くなったりといった部分以外に異常に金を使いたがるゲームなので(笑)、このサプリメントは必須でしょう。

「CHARACTER PACK」

 膨大なキャラクターシートと、キャラ・メイキングに役立つテーブルが満載であります。基本的にはルールブックに出てるデータの追加版といった感じ。より詳細に、深くキャラ・メイキングしたい人は、まー買いかなーと。特に亜人種の名前をオールドワールドの法則に則って作りたい人なんかは。

 あと、コピーして貼れば使える、キャラクターポートレイト(全身図)がついてます。みんな超個性的で、これフィギュア化してくれたら全部買います()。

「GAME MASTER'S PACK」

 マスタースクリーンと、オールドワールドの詳細な地図(いい出来)、シナリオ一本と、オールドワールドの代表的な建築物の見取り図・説明、さらに装備品の一覧表等のパックで、内容はそれなりに盛り沢山であります。

 自分的には「ライクランドの代表的な村」の地図とその説明が結構好き。建築物の説明なんかは他のファンタジーTRPGにもそのまま流用出来ると思われ、何気に良い内容だったりします。

 あと、他のサプリメントで網羅してない、例えば橋を渡る時の足一本税とか、まー細かいけど知っといた方がいいだろう、みたいなものも載ってるんで、意外と必要かも、といった印象。

「Knights of Grail」

 ブレトニアの設定資料集。歴史、政治、宗教はもちろん、各地域のデータもがっちり。地域ごとのスペシャルキャラクターのデータも。

 で、ブレトニア独自の新キャリア追加、その数、実に14も。エラントとかグレイル等のナイト各種・アーミーブックに載ってるキャリアはもちろん、カルカソンヌの羊飼い、フェイスレス(Faceless)等の、魅惑の新キャリア続々。

 さらにブレトニア・ナイト好き必見、「Virtues of Knighthood」で、さらに個性的なナイトの作成可能。淑女の加護も、いくつかあるものから、チョイスできるようになりました。

 

「Realms of Sorcery」
「魔術の書 : レルム・オブ・ソーサリー」(日本語版)

 魔法本。基本ルールから、マジックの数が大幅に追加(倍に!)。ウィザードの追加キャリア2種(ウィッチ、ウォーロック)。ウィッチ・ハンターについての詳細な記述も。マジックアイテムの数々、ファミリア(使い魔)のデータも。

 さらに、ドワーフの新キャリア、ルーン・スミス登場(追加キャリア4種)。ルーン・マジックの使用が可能に。

 他にもオールドワールドの魔法に関する資料満載で、結構なボリュームになっております。

 

「Tome of Corruption」
「堕落の書 : トゥーム・オブ・コラプション」(日本語版)

 激烈ケイオス本。鼻血が出るほどの圧倒的な情報量。ざっくり内容を説明すると。

・ケイオス・ミューテーションの数が、異常に増えた。基本172種、それぞれに部位や詳細の表があり、その量たるや。その特殊能力たるや。
・ケイオス・カルト登場。追加キャリア8種。情報はもちろん、カルトに関する追加ルールも。
・モンスターデータ作成。今まで固定データだったモンスターの能力値が、人間と同じように作成可能。さらに固有キャリアも。ビーストマンやトロール、ジャイアントはもちろん、ケイオス・スティードのデータまで作成可能。馬までキャラクタークリエーションしてどうすんだ! デーモンも作れる。
・追加モンスター。「OLD WORLD BESTIARY」だけでは網羅しきれなかった、FBでおなじみのケイオスのモンスターたちが登場。さらにまったく知らないモンスターたちも多数登場。
・ノースマン、ノースドワーフが新たな種族として登場。当然追加キャリア多数(10種)。自分的にはここだけでも充分なくらいのボリューム。
・クルガン人、ケイオス・ドワーフも! これも同じく、追加キャリアあり。クルガン人が強い。ケイオス・ドワーフのソーサラーは、Magの上昇と共に石の肌の呪いを受け、足元から固くなっていく!
・ケイオス・キャリア。追加11種。ケイオス・ウォリアーになれる、くらいを想像してないスか? そのくらいは当たり前で、人間からエグザルテッド・デーモンにもなれます。なってどうする。デーモン・プリンスまで行けるんだけど、これはもうNPCにせよとのこと。ていうか、デーモンになった時点で。ケイオスからのおくりもの(特殊能力)も多数。
・ケイオスの武具。あまりに個性的、かつ分量多過ぎ。数えてないけど基本で100種以上。形状や神によりバリエーションあり。もういい。
・ケイオス・マジック。神ごとに与えられるマジック多数。つってももう、ここまでのボリューム、内容では驚かなくなってるかも。

 当然、ケイオスやそれに関連する設定、データも多数なんですが。ナイト・パンサーとかクロークド・ブラザーみたいな新キャリア、追加スキル、タレント、マジック等もたくさん追加されてんだけど、それも埋もれちゃうくらい。ケイオス中心だけど、それに対抗する人々についての記述も多いのです。
 自分的にはやっぱ英語の長文読むの大変なんだけど、これに関してはパッと見れるデータが多く、使いやすさの点でも随一。一度は手にしてほしいサプリメントであります。

 

「The WFRP Companion」
「ウォーハンマー・コンパニオン」(日本語版)

 ボリューム満点のサプリメント。これもざっくり内容をば。

・新キャリア6種、追加タレント、武器、兵器の追加。
・チャーム、ゴシップ等、非戦闘系スキルの詳細ルール。フォーチュンポイントの使用も駆使した本格派追加ルール。
・エンパイアの河川図。これが欲しかった。網の目のように張り巡らされた河川。エンパイアは船で移動するのが一番なんです。
・商売の追加ルール。商人系キャリア必須。扱う商品からどのエリアで商売するか、どんな商隊を組み、水路では船にどんな武器を搭載するかまで。
・スターサイン詳細。
・医療関係の詳細。パーティに医者がいなくとも、冒険者だったら色々お世話になります。
・新カルト、カルト・オブ・イルミネーション登場。
・ナルンの砲術学校。なんとスキル、タレントを買えます。金かかったりスキルテストが必要だけど、100xpで現キャリアでの取得が可能。
・新モンスター登場。主に河川、海で出会うモンスターたち。

 その他、サルトサ、トバロの説明にチャプターひとつ割いてたり、ガンナリーショップの説明、個性豊かな大道芸人たちの一行、エンパイアの人々、生活、文化についての説明等、内容的にはかなりのボリューム。
 プレイヤーならルールブック、アーマリィ、そしてこのコンパニオンの3冊が、最低限欲しいところ。必須のサプリメント。

「Renegade Crowns」

 今日は王、明日は貧民、そんなボーダープリンスの設定資料なのだが。しかし!

 このサプリメントの凄い所は、ボーダープリンスで一旗揚げて、国を作り、モンスターや隣国の脅威と戦い、造反者に気を配り、領土を拡大していくシステムを紹介してるところ。そう、農民から始めて、やがては王になるPCを作れるというわけです。

 単に戦って強くなっていつの間にか王様、ではなく、そこに至るまでの過程を細かくシステム化してある。どんな家臣を迎え入れ、どのように村や街を作り、どんな軍隊を編制し、そしてどんな統治者となるのか。人間のみならず、エルフ、ドワーフ、ハーフリング、グリーン・スキン、ケイオス、死者の王と、あらゆる種族・勢力の国取り合戦は、いままでのWFRPとはまったく違う世界観を提示してくれること請け合い。

 ボーダープリンス内の地図とマス目のシートを使い、首都と定めたところを拠点に、1マス1マス領土を拡大していくわけですわ。面白そう。

 もちろん、今までのサプリメントと同様、ボータープリンスの一風変わった追加キャリア(9種)、追加の毒の種類、ゴーレムについての記述もあり。

 個人的に思うには、ウォーハンマー・ファンタジー・バトルとの連携も考えられ、これは大変なことになってきましたよ。

「LURE OF THE LICH LORD」

 前半チャプター4までは、ボーダープリンスに関わる追加資料。んで、残りチャプター13までが、クェムリの遺跡探検に関するあらゆる資料。この部分の出来が極めて良。

 というのも、このゲームでダンジョン探索モノやる時の資料として、大変有用性が高い。このゲームってどのスキルをどういう時に使うのかって凄く重要且つ難しい問題なんだけど、そういうのが全7階の遺跡を通して、ものすごく具体的に書いてある。まずアカデミック・ノレッジのヒストリーかテオロジーのテストが必要で、これに成功して初めてサーチのテストが可能とか、トレイド(ストーンワーカー)があって、初めてこの罠に気づくとかね。あー、このスキルとこのスキルは、こうやって組み合わせるのか、という部分で、ものすごく参考になった。そしてサンプルのダンジョンの仕掛けが凝ってて、これだけでも充分楽しめる。

 さらに「病気」「呪い」「罠」についてのサンプルリストあり。そして新モンスターも16種追加。マジックイテムの追加もあり。

 いずれにせよ、このサプリも期待以上の出来映え。

「Night's Dark Masters」

 ついに出ましたヴァンパイア本。もう吸血鬼のことばっかりですよ。ヴァンパイアのキャラ作成のデータも載ってます。吸血鬼の歴史やらなんやら、よくヴァンパイアだけでこんなに書けるよなーってくらい。まーウォーハンマーのヴァンパイアって種類多いですからね。FBでお馴染みのスペキャラデータもあり、その他キャラクターのデータも多数。

 んで、いつもの通り、追加キャリアもあり。通常のPCがなれるもの8種、ヴァンパイアキャリア3種。どれも死と近しいものばかりで、かっこいい。追加タレントもあるよ。追加レッサーマジックも。

 ヴァンパイアは能力値のみならず、ブラッドギフトなる特殊能力もたくさん。かっこいい。
 新しい魔法体系として、ロア・オブ・ナガッシュも追加。生み出し操れアンデッド。儀式魔法、マジックアイテムも追加あり。かっこいい。追加モンスターも多数あり。

 ヴァンパイアっつうと人間、それもウォーハンマーだとズィルバニアに限定しがちだけど、種族、地域を限定せずの情報網羅で、期待以上のサプリメント。

 

「Tome of Salvation」
「救済の書」(日本語版)

 「Realms of Sorcery」がウィザードの追加サプリであるのに対して、こちらはプリーストのサプリ。が、それにとどまらず。

・まず当然のことながら、各プリーストのスペルの数は倍になってます。小魔術も各神のものあり。基本ルールブックにない神のスペルもあり。さらにそれぞれの神についての詳細な設定。
・メインの神々以外にも、マイナーな神々についても解説。呼び方の違う同一神も含めれば、その数実に100種以上。さらに、自らカルトを作る際のルールも。
・タリスマン、チャーム、アミュレットに関する新ルールと新アイテム。追加アーマーポイント、ウーンズポイント、さらにアイテムごとの特殊ルールあり。
・エンパイアの一年分のカレンダーと、祝日や祭りに関する詳細説明。その他の地域や村で、祝日や祭りをランダムに作成できるルールもあり。
・追加タレント3種。
・追加キャリア12種。ウォリアー・プリースト、グランドマスターを筆頭に、宗教絡みの個性的なキャリアが多数追加されております。
・追加の武器、鎧等々。燃えるフレイル、Comet Frail等、特殊ルールのある魅力的な新アイテム。

 その他ここに書き切れないくらいの設定、追加ルールがあり、単に魔法本ではなく、プリーストじゃなくとも、より深くオールドワールドを理解することのできる、魅惑のサプリでありますと。元の値段も高いけど、値段以上の価値のあるサプリと言えます。

「Realms of the Ice Queen」

 キスレフの設定本。例によって、人々、歴史、政治、法、宗教と、実に多岐に渡る解説あり。

 エレングラート、プラーグ等の都市は詳細マップもあり。もちろん、街そのものの説明も。
 キスレフ人のキャラが作成可能。追加タレント、オプションルールも。追加キャリアは17種と結構なボリューム。ベアテイマーは、ゲットした経験値(の半分)で、クマを成長させられる! 最強クマを作れ!

 そして新たに二つの魔法体系(ハグ、アイス)が加わりました。もちろん、ペティマジックの段階から全く新しい魔法なのだ。

 新たなモンスターや生き物のデータもあり。クマなんか、追加タレントのベアハッグで抱きつき攻撃してくるぞ!

「Shades of Empire」

 WFRPをファンタジーフライトゲームズが手がけるようになってからの、サプリメント第一弾。内容はというと。

エンパイアの波止場事情。ギャング団の設定も。
・ライクランドの商業神、ハンドリヒとその教団についての詳細。
・日夜アンデッドと戦う、モール教団ドリームワーカーズについて。
・エンパイアに革命はあるのか。活動家たちの日常を追う。
・ついにヘッジウィザードもヘッジ道(?)を究められるように。これまでは正当の魔術師に鞍替えするかウィッチの道へと堕ちていくしかなかったヘッジウィザードだけど、独立の追加キャリアと魔法体系が追加された。
・今までのサプリではほとんど語られなかった、帝国海軍の情報。海軍提督のキャリアも。
・今なお存続する十字軍騎士団、ナイツ・オブ・マグリッタについて。
・これもあまり語られなかった、ムート外でのハーフリングとその社会について。
・そしてロードワーデンたちの詳細設定。

 みたいな感じ。各項ともプレイヤーとGMセクションに分かれてたり、サンプルキャラや施設などの地図も大量に載ってて、わかりやすいし使いやすい。

 公式サイトではルールブック、アーマリィ、ソーサリィ等と並んで、キーアイテム、要はゲームするのにある程度必須のサプリに指定されてます。「コンパニオン」の内容を、さらにエンパイアに特化させたような感じと思ってもらえれば。追加キャリア6種。追加タレント、追加魔法もあり。いや、これもまた期待以上のサプリです。

「Career Compendium」

 ついに出たキャリア本。「Shades of Empire」までに発表された220種以上の公式キャリアをばっちし紹介。1キャリアに1ページ割いてます。つまり、これまでに紹介されたものよりもさらに詳細な情報あり。さらにこのサプリで追加された新キャリアも8種(+α)。

 その他様々なチャートも載ってて、とにかくキャラとキャリアに関するあらゆる情報がまとめてあると。スターティングキャリアもd1000で決める「マスター・スターティングキャリア・テーブル」に加え、種族別、出自別、系統別等々と、様々なキャラクターを作れるって話。あるととても便利な一冊。

ここからは、欲しいけど持ってないリストです。
情報は、借りた時にメモしたり、といった感じです。

「Karak Azgal」

 最果て山脈のカラク・アズガル砦の設定資料本。主にドワーフのことについての記述が多いので、ドワーフ本の要素が強い。他では触れられてないドワーフの神々についても。NPCのデータも多数。

 また、カラク・アズガルのダンジョンで冒険するためのシステム、追加モンスターのデータもあり。前半設定本、後半シナリオ、という他のサプリメントに近い形式。

 ドワーフのアンデッド、プリースト、その他ちょっと変わった要素のデータ多数。何気にグロムリル・ウェポンについての記述もあり、ドワーフにより深く触れたいなら、押さえておきたい一冊。

 

「Children of the Horned Rat」

 スケイブン本。スケイブンに関することいっぱい。マジックとかキャリア、追加装備もそうだけど、紹介のとこに、スケイブンのキャラクターで遊ぶ時うんぬんみたいな記述あって、マジ?とか思った。ネズミ人の冒険。

 

「Plundered Vaults」
「略奪品の貯蔵庫」(日本語版)

 新版になって、最初に出たシナリオ本。っていうか、確かルールブックと同時発売だった(英語版では)。収録シナリオ6本。まだ駆け出しの冒険者用で、ざっくりとWFRPの感覚を掴める内容。

 このゲーム独特の雰囲気や、GMがシナリオ自作する際に、実際にどのような感じでやっていくか(経験値の配分等)がわかることでしょう。

   

   

「Ashes of Middenheim」「Spires of Altdorf」「Forges of Nuln」
「ミドンヘイムの灰燼」「アルトドルフの尖塔」「ナルンの高炉」(日本語版)

 「Paths of the Dammed」キャンペーン3部作。今回たけ君から英語版を、ねずみの騎士さんから日本語版を貸してもらって、内容判明。

 基本的にシナリオ集。されど前半部分はそれぞれの街(ミドンハイム、アルトドルフ、ナルン)の設定資料。ここの部分だけでも手に入れる価値あり。もちろん新キャリア、新アイテム、新マジック、その他諸々の追加データも。

 シナリオ全部読むと街の感じがわかるとかじゃなく、前半部分にまとめてくれてるんで助かる作り。ゆえに自作シナリオ作成の際にも扱いやすいというか、自分が思ってたよりは全然使いやすいサプリメント。

「Terror in Talabheim」

 タイトル通り、タラブハイムでの冒険で、一冊で一本のシナリオ。その他周辺地域の情報とか、タラブハイムそのものの情報とか。地図もバッチシ。この手のサプリで良いのは、それを通じて、この街に限定せず、あるパターンの街であったりなんだりの情報が得られるってとこでしょうか。

 追加キャリア4種。アルトドルフやナルンなんかに比べてマイナーな都市なので、書いてあることひとつひとつが新鮮。

「Barony of the Damned : An adventure in Mousillon」

 これも貸してもらって内容判明。ムジヨン(ブレトニア)の情報満載。例によって、前半はムジヨンそのものについての説明、新キャリアと、ムジヨンのキャラクターのデータもあり。後半はシナリオだけど、前半の部分に多くページを割いてるのが特徴か。一応ブレトニア内とはいえ、ムジヨンのキャラクターには独特のスペシャル・ルールがいくつかあったり、ひとつの国としてとらえてもいいかもしれない。まだ隅々まで読んだわけじゃないけど、ダークな設定の街で、いい雰囲気出してます。

新版ウォーハンマーRPG発売を機に、新たに翻訳された小説も発売です。↓

「渾沌のエンパイア」
 シグマーに選ばれた聖女、エルフ、魔狩人、ドワーフ戦士、騎士団長の一行を待ち受ける、ある種ウォーハンマー的冒険譚というか。一応ホビージャパンが出してるんだけど、FRPよりも、FBっぽい印象が強いかも。でもこの二つを区分けする必要なんてないので、両方のプレイヤーに合ってるとも言えそう。ドワーフの機関車とか、ちょっとわくわくするような要素は出てきます。時代的にもストーム・オブ・ケイオスの辺りで、この辺の雰囲気味わうにはいい感じの物語。

     

「ドラッケンフェルズ」
 名作「ドラッケンフェルズ」が新訳版で登場。吸血鬼のジュヌヴィエーヴを筆頭に、ウォーハンマーならではの個性的なキャラが続々と。かつてドラッケンフェルズとの戦いの場であった古城で、劇作家デトレフは、ドラッケンフェルズとの戦いを上演することに。アドバイザーとしてその戦いの生き残りたち、観客として選帝侯、その他有力者たちを引き連れた一座は、そこで奇妙で恐ろしい目に会うってな話。
 FBやFRPでお馴染みの面々も登場。まずはこの一冊で、オールドワールドの不穏で活気ある雰囲気を感じて頂ければ。

「吸血鬼ジュヌヴィエーヴ」
 こちらは「ドラッケンフェルズ」の後日談。表題通りいずれもジュヌヴィエーヴをフューチャーした短編3作品。
 「流血劇」は、「ジキル博士とハイド氏」と「オペラ座の怪人」を合わせたような作品。見所を言うとネタバレになっちゃうので割愛。舞台はエンパイアのアルトドルフ。
 「永遠の闇の家」は、詩人で革命家のクロウスキー公が訪れたある屋敷での、奇妙な物語。舞台はティリア。
 「ユニコーンの角」の舞台はエンパイアのドラクヴァルトの森で、とある理由からルディゲル伯爵を暗殺すべくジュヌヴィエーヴは彼に近づくわけだけど、そこで行われるユニコーン狩りには、長い因縁と隠謀が渦巻いていて・・・みたいな話。

「ベルベットビースト」
 時系列的には「ドラッケンフェルズ」の後なんだけど、上記2作品のネタバレ的要素があるので、これが3作品目として翻訳された次第。
 アルトドルフで女性ばかりを襲う連続猟奇殺人事件を追って、様々な登場人物の思惑を描いた作品。これもウォーハンマーおなじみの登場人物に加え、魅力的なキャラのオンパレード。誰が主人公というわけではなく(強いて言えばズーデンランド選帝侯か)、群像ドラマな感じ。前2作のキャラも活躍。
 ちなみにこの作品が、ウォーハンマーのプレイヤーには一番資料的な意味合いがあると思い。

「シルバーネイル」
 これまでの3作品に出て来た登場人物たちの、外伝であったり後日談的な作品集。全5話なんだけど、それぞれがそれなりの分量で、本一冊としてみれば結構なボリューム。
 これまで以上に、オールドワールドの文化みたいなものがよく伝わってくる。5話いずれもまったく趣の異なる作品であるところも、読んでいて飽きさせないというか。

 上記4作品に言えることは、いずれもFBのアーミーブックやサプリなんかに書かれていない、いわばオールドワールドの実情、日常が描かれているということ。
 エンパイアが「アンデッド許すまじ」とか表では言ってても、カール・フランツの息子ルイトポルト皇子は吸血鬼であるジュヌヴィエーヴと親しいし(それに対しカール・フランツはあまりいい顔しないわけだけど)、百軒酒場通りにはアンデッドが集まる酒場があるのは周知の事実だったりする(ジュヌヴィエーヴもそこで何世紀か働いてた)。ブレトニアの駐在エンパイア大使はドワーフだったりするし(笑)、扇動家が刷りまくった革命の本なんかが、発禁になりつつも多く出回ったりしてる。なんつうか、実際はこんななのね、みたいな要素がたくさんある。
 ウォーハンマーのプレイヤーにとって価値ある作品であることは勿論、FBかFRPか、どちらにも手を触れてない人たちにも、オールドワールドの猥雑かつ不穏な、それでいて魅力あるオールドワールドに触れるきっかけになってくれればと。いずれも普通の(?)ファンタジー作品として楽しめる作品だと思います。オススメ。

ここからは、旧版のFRPと、そのサプリメント、小説の紹介です。

   

「ウォーハンマー ファンタジーRPGルールブック 1〜3」

 FRPの1stですね。当然のことながら絶版ですが、もし入手できるなら、FRP2ndの翻訳にあたって、大変参考になるでしょう。というのも、基本的なシステムは変わってないので。1巻が基本ルール、2巻がマジックとモンスター、宗教関連で、3巻がオールドワールドの世界設定になっております。

「エンパイアの興亡」

 これはファンタジーバトルのファンの人に今でもよく薦めてるし、帝国歴2513年のデータ(6版ファンタジーバトルの7〜8年前)なんだけど、今でも充分すぎるほど参考になります。もうエンパイア国内のあらゆる設定、背景が記載されておりまして、特に巻末のエンパイアの暦と、ライクランド周辺の街・村のデータ(規模、領主、人口、守備隊の数、産業等)は、エンパイアのプレイヤーなら、ぜひ知っておきたいところです。軍の組織も網羅。
 さらに「内なる敵」キャンペーンの1にあたるシナリオも。

「死の街ベーゲンハーフェン」

 一応シナリオ本で、「内なる敵」キャンペーンの2ですが、ベーゲーンハーフェン(アルトドルフ南西の大きな街)についての設定満載で、ここからオールドワールドの街というものについてわかるという、結構、資料的価値の高い作品です。

「さまよえる魂」

 シナリオ集です。実はこれらの話が「内なる敵」キャンペーンに繋がっていくといった内容です。シナリオそのものの質も、決して低くはないかなと。
 オールドワールドの資料としては、アルトドルフ北東の地域のデータが、これでわかると。

 

「破壊の剣」「プラーグの妖術師」

 ウォーハンマーFRPリプレイ集の1と2です。
 それぞれの巻末に、ホワイトドワーフ誌から翻訳した、オールドワールドでは珍しいノームのキャラメイキングと(追加職業あり)、ウッドエルフ・ウォーダンサーの設定、メイキングが付いてます。

   

「吟遊詩人オルフィーオの物語 1〜3」  

 これはウォーハンマーファン必読といいますか、特にFRP経験者には思わずニヤリとしてしまうような描写が多いのですよ。そうじゃなくても、オールド・ワールドに興味ある人は、充分楽しめると思います。舞台はザラゴス、ボーダープリンス、モリーンと、結構マイナーな地域ばかりですが、おなじみ混沌勢との戦いがメインです。 小説としても結構いい出来なので、これをきっかけにウォーハンマー世界に触れるのも良いかも。
 ちなみに各巻のタイトルは、1「ザラゴス」、2「いまわしき死の使い」、3「嵐の戦士」で、2巻はホントに面白かったです。あと各巻の巻末に、登場人物たちのゲームでのデータが載ってるのも良。

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