歴史/ファンタジー資料-1

「中世ヨーロッパの武術」 長田龍太

 これはここで紹介してる本の中でも屈指の名著。
 剣や槍のようなものはもちろん、この時代のあらゆる武器、戦い方を図解で解説していく内容です。
 中世ヨーロッパの武術の基本理念や、なぜ後世にこの時代の武術は未熟と誤解されてきたかなど、他ではなかなか読めない内容も盛りだくさん。もちろん、各武器自体の解説も、他よりもより実践的なもので、こんな本がついに出たのかと思いました。671ページの特大ボリュームなのに、いい意味で、まだまだ読み足りない感じすらします。それだけ、今までこうしたジャンルの本というのは、あるようでなかったんですね!
 これはホント、おすすめです!

「戦闘技術の歴史2 中世編」 マシュー・ベネット他

 西暦500年から1500年までの戦略、戦術、戦法について詳しく論じてある一冊。各兵科や攻城戦についてはもちろん、海戦、指揮と統率についても書かれています。歩兵についてはハスカール、アルモガバル軽装歩兵まで載ってるほどマニアック。
 五人の学者の共著であるにも関わらず、全編通じて、既存の資料とされてきたものに対しての疑念や過ちを指摘しているのが特徴。その部分以外でも、ちょっと今までのイメージを塗り替えてくれる部分もあります。

「中世ヨーロッパ 武器・防具・戦術百科」 マーティン・J・ドアティ

 武器や防具のひとつひとつをピックアップして紹介する本って多いんですけど、これは兵科や場面ごとにそこで使われてた装備の性能や扱い方について、実際の戦争を例に出しながら論じられてるのが特徴。つまり装備単体ではなく、何故にそのような装備一式になったのかが解説されている、ある意味とても実践的な一冊。
 騎馬戦士、歩兵、投射兵部隊、攻城戦兵器とその技法の四章にわたって、詳しく解説されています。特に最後の攻城戦については、そこにこれだけの文章を割いている本は少なく、貴重な資料です。

「暖房の文化史」 ローレンス・ライト

 人が火と出会い、そしてそれをいかに駆使し、暖房や調理といった日常生活に取り込んでいったか、そしてそれらの発展を現代まで追った文化史本。
 暖炉、ストーブはもちろん、セントラル・ヒーティングまで網羅した、表題通りの、まさに暖房の文化史。

「風呂トイレ讃歌」 ローレンス・ライト

 風呂とトイレの成り立ち、歴史を解説する一冊。風呂やトイレに関する本って意外に多く、それぞれについての文献を漁らなくちゃという感じで、これがまた膨大な量だったりとんでもない値段の大型本だったりするんですけど、とりあえずの概要なりを掴むには、最良の本。いわば風呂とトイレに関する歴史的考察においての、入門書。
 こういう細かい部分に興味ある人にとっては、必須の書のひとつです。

「図解 メイド」

 男女問わず使用人の解説本。時代背景と各国の使用人について、職種別の仕事内容、序列や組織図などなど、詳しく解説。辞書だと召使いとかでひとくくりになっちゃう使用人も、これにて分類可能。命令系統と館の中の誰の管轄下にあるのかとか、これで初めてわかりました。
 見開きごとに一つのテーマ、それぞれにイラストか図で解説してくれていて、見やすいです。テーマごとに事典みたいに使えます。

「世界史モノ事典」 平凡社編 平凡社

 歴史上存在した「モノ」を、3000点に及ぶイラストを用いて解説してくれる事典。これはかなりオススメです。馬車だけで31パターン載ってますから(笑)。
 オーソドックスなものからマニアックなものまで、大抵の資料じゃ文章でしか載ってないものが、イラストで見れます。

「図説 西洋甲冑武器事典」 三浦權利 柏書房

 中世ヨーロッパやファンタジーものの武器資料ってたくさん世に出てきましたけど、これは金属鎧、甲冑の解説書です。甲冑をメインにした本ってほ意外とないんですよね。大体武器の本の後ろの方にちょこっと書かれてるくらいで・・・。
 著者自ら甲冑を作ってるっていうすごい本です。甲冑について正確で詳しく知りたいなら、買っておいて損はないかと思います。

「シティーメイキングガイド1」 草野巧 新紀元社

都市を7つのパターンに分け(軍事都市、宗教都市など)、それぞれの存在意義や立地条件などを解説した本です。サンプル自体、魅力的な都市が多いですけど、メイキングの手ほどきもしてくれるんで、設定からちゃんとした街をデザインできます。

「シティーメイキングガイド2」 山北篤 新紀元社

 都市のパーツ(酒場、宿屋、教会など)をサンプルでわかりやすく解説してくれている一冊。それぞれ建物の間取りもついているので、ビジュアル的にイメージしやすいです。。各パーツごとの登場人物設定もあり。扱いやすい資料でおすすめです。

「RPGシティブック」 L・ディティリオ 

 基本的な構成は「シティーメイキングガイド2」と変わらないんですけど、こっちはよりディープというか、独創的な設定。読んでるだけでも面白いです。各パーツごとに二、三本のシナリオ案があって、そっちの参考にもなります。

「武器」 ダイヤグラムグループ編 

 武器関連の資料では基本中の基本で、超ロングセラーですね。
 なんといっても棍棒から核兵器まで掲載されているところがすごい。地域、時代別索引もついてて、ホントよくできた資料です。かなりマニアックに調べようと思わないかぎり、これ一冊で充分でしょう

「幻の戦士たち」 市川定春と怪兵隊

 古代から中世あたりまでの戦士たちを、装備や軍制、戦術面でアプローチした本。イスラム世界や中国の戦士たちも紹介しています。海軍や攻城兵器の資料は少ないので、けっこう利用価値の高い本。

「傭兵の二千年史」 菊池良生

 なぜ傭兵市場が確立し、そして現代にいたったのかという二千年の歴史を追う本。スイス長槍傭兵隊やランツクネヒト、ワイルドギース等々、彼ら傭兵の活躍もさることながら、なぜそういった傭兵が現れるようになったかを詳しく説明してある。

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