ゲル状の身体を持つ、通称スライムと呼ばれるこの怪物は、廃墟や忘れられた地下迷宮に潜んでいます。不定形のその身体は、触れる生き物全てを消化吸収してしまう、恐るべき能力を持っています。
その多くはせいぜい人が両手を広げたくらいの大きさしか持ちませんが、捕食できる生き物の豊富な場所では、とてつもなく巨大なものもいます。加えて、小さな個体が寄り集まって、大きな個体となることもあるのです。
これは大変な難敵ですが、知性を持たず、我々をただ待ち伏せているスライムは、迷宮に潜む罠のような存在といっていいかもしれません。
多くは天井に張り付き、獲物が来るのをじっと待ち構えています。そして獲物が真下に来たら落下して襲い、その肉体を溶かしながら捕食していくのです。
このような攻撃にあったら駆け出しの冒険者はもちろん、ベテランの冒険者でも大変なことになります。
また、この落下攻撃をかわしたとしても、この生き物は悪びれることも恐れることもなく、地面を這って襲いかかってくるので、最初の不意打ちをかわしたからといって、油断はできません。
移動速度は種により様々です。ゆっくりとこちらに這いよるだけのものがほとんとですが、中には高速で飛びかかってくるものもいます。
スライムのその身体ですが、これは肉眼では確認できないほどの微小動物の群れだと言われており、つまりは剣で両断しても、半分の大きさの二つのスライムとなって、我々に襲いかかってきます。
それどころか自らいくつもの小さな個体に分かれて活動することもあり、このような怪物には、斬ったり叩き潰したりといった攻撃では太刀打ちできません。
一般的な対処法としては、火で焼くことですね。水分を多く含んだその身体を焼くのはなかなか骨が折れますが・・・。
あるいはそのような魔法の使い手が仲間にいればの話ですが、超低温の魔法で凍らせることでも死滅させることができます。
いずれにせよ、出くわしてしまったら厄介この上ない難敵と言えそうです。
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